この1970年のデビュー盤をブラック・サバスの決定盤と言い張る向きもあるかもしれない。たしかにゴシック調のオープニング曲「Black Sabbath」――雷雨と教会の不吉な鐘の音が、オジー・オズボーンの怒声とトニー・アイオミのスラッジーなギターを誘う――とクリームを騒々しく荒っぽくしたような「N.I.B.」は当時スリリングに感じられた(今聴いても変わらずスリリングだ)が、本作はブラック・サバスのマスト・アイテムと呼ぶには物足りない点があまりに多い(『Paranoid』こそマスト・アイテムと呼ぶべきなのだ)。けれども「The Wizard」のブルース色の濃いリフ、「Wasp」のこのあと間もなくして有名になったコード進行のスタイル、「Wicked World」のグランジのブギーによって本作は、長い年月にわたりバンドが誇った衰えることのない深い影響力の揺るぎない証拠として今もなおそびえ立っている。(Lorry Fleming, Amazon.com)

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ディスク:1
1. 黒い安息日 (Black Sabbath)
2. 魔法使い (The Wizard)
3. 眠りのとばりの後に (Behind The Wall Of Sleep)
4. N.I.B. (N.I.B.)
5. 魔女よ、誘惑するなかれ (Evil Woman)
6. 眠れる村 (Sleeping Village)
7. 警告 (The Warning)